産廃におけるマニフェスト(産業廃棄物管理票)とは?解体工事の依頼主が知っておくべきポイント
産廃におけるマニフェスト(産業廃棄物管理票)とは?解体工事の依頼主が知っておくべきポイント
産業廃棄物の処理委託の際、産業廃棄物が適切に処理されたか確認するために、排出業者はすべての産業廃棄物に対して、マニフェストを使用することが義務付られています。
そこで今回は、解体工事を依頼する際に知っておくべき、マニフェストについて詳しくみていきましょう。
マニフェストとは?(産業廃棄物管理票)
平成10年12月から始まった「マニフェスト」(正式名称は「産業廃棄物管理票」)とは、不法投棄を未然に防止するために、排出業者が交付する伝票のことです。
排出業者は、委託した処分業者の廃棄物処理工程表から、すべての産業廃棄物が正しく処理されたこと、また処理の流れを把握する必要があります。
産業廃棄物の収集・運搬・中間処理・最終処分を処理業者へ委託する際には、排出事業者の責任を明らかにして、マニフェストを交付することが法律で義務付けられています。
解体工事の依頼主はマニフェストを作成する義務はありませんが、廃棄物が適正に処理されているか知るためにも、解体完了後にマニフェストを確認することが推奨されています。
紙マニフェストと電子マニフェスト
排出事業者は複写式の伝票「紙マニフェスト」、または情報を電子化した「電子マニフェスト」を使用します。
「紙マニフェスト」は排出事業者から収集運搬業者へ、次に収集運搬業者から処分業者へ渡るごとに、排出事業者は産業廃棄物が適切に処理されたか確認できます。
「紙マニフェスト」を使用した場合は、排出事業者は収集運搬業者や処分業者から決められた期間内に管理票の写しを送付する必要があります。
運搬終了・処分終了報告の確認期限は90日以内、特別管理産業廃棄物の場合は60日以内、最終処分終了報告の確認期限は180日以内です。
一方で、情報を電子化した「電子マニフェスト」は、排出事業者、委託先の収集運搬業者・処分業者が「公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター」を通じて、効率よくデータを管理が可能です。
「電子マニフェスト」は情報処理センターが行政に自動的に通知するため、産業廃棄物管理票交付等状況報告書を提出する必要がなくなるため、多くの都道府県で推奨されています。
マニフェストの流れ
排出事業者は都道府県の産業廃棄物協会でマニフェスト(産業廃棄物管理票)を入手し、産業廃棄物の名称・運搬業者名などを記載して交付します。
排出事業者は収集運搬業者にマニフェストを渡し、次に収集運搬業者は中間処分業者へ、廃棄物を引き渡します。
排出事業者は、マニフェストの交付後90日以内に産業廃棄物の中間処理の終了確認をする必要があります。※特別管理産業廃棄物の場合は60日以内となります。
中間処理が終了すると、中間処分業者は収集運搬業者と排出事業者に報告し、最終処分が終わると、最終処分業者はまた中間処理業者と排出事業者へ報告する流れです。
排出事業者はマニフェスト交付後180日以内に最終処分が終了したことを確認する必要があります。
期限内にマニフェストによる処理終了の報告がない場合は、委託した産業廃棄物の処理状況を都道府県等に報告する必要があります。
まとめ:マニフェスト発行や控えの保管についての注意点
排出事業者は産業廃棄物の運搬または委託する場合には、排出事業者の責任を持って、最終処分までマニフェストを確認する義務があります。
マニフェストは廃棄物の種類ごとに交付され、保存期間はマニフェストの交付日または送付を受けた日から5年間です。
最終的に解体完了から1ヶ月程度で依頼主に届きますので、紛失や破損をしないように、丁寧に保管しましょう。